浦幌町は昔、木炭産業が盛んでした。
最も盛んであったのは、大正10年ころです。
同14年には、
旧浦幌小学校において、
十勝で初めての木炭製造講習会が開催され、
北海道各地から50名の講習生が集まったことが、
浦幌町百年史に書かれています。
当時、
乳神様発祥の地である浦幌町瀬多来でも、
炭焼きが盛んに行われていました。
現在、
浦幌木炭を継承する職人、
佐藤行雄さんの父親も瀬多来の炭焼き職人でした。
大正時代の中頃、
瀬多来の山奥で見つかった、
おっぱいに似た瘤をもつナラのご神木は、
「願うと母乳が授かる」
霊験あらたかな「乳神様」として信仰が広まり、
遠くは九州からお参りがあったという逸話も残ります。
粉ミルクもない時代に母乳が出ないことは、
子どもの命にかかわることです。
乳神様の御神徳により、多くの方が救われたそうです。
地元の方や先代、先々代宮司の話では…
乳神様のご神木のまわりには、
お礼参りに奉納されたたくさんの吹流しの幟が、
見事にはためいていたそうです。
その信仰を世に広めるために一役買ったのは、
閑散期に出稼ぎに行った炭焼職人であると
伝えられています。